コラム
医療事務になるには?2つのルートや取得するとよい資格も解説
医療事務は、日本全国の病院やクリニックで不可欠な役割を果たしています。この分野でキャリアを築くことは多くの方にとって魅力的な選択肢ですが、どのようにして医療事務員になるのでしょうか。
当記事では、医療事務になるための具体的な方法、必要な資格、学べる専門学校や大学について詳しく解説します。医療事務員として活躍するためには何が求められ、どのようなステップを踏めばよいのか、これからのキャリアを計画している方はぜひお役立てください。
1.医療事務になるための手段は?
医療事務は、病院・クリニックといった医療機関での事務作業を担う事務職です。主な仕事内容は「受付・会計業務」「レセプト作成業務」「クラーク業務」の3種類があり、医療を提供する医師や看護師が働きやすいようにサポートを行います。
医療事務の仕事内容|医療秘書との違いや就職が有利になる資格も
医療事務になるために必須の資格はないものの、医療事務に関連する資格・専門知識を持っていれば就職や待遇面で有利になるでしょう。
以下では、医療事務として活躍するためのルートを3つ紹介します。
1-1.専門学校に通う
医療事務専門の学校で専門知識を学ぶ方法です。
専門学校では医療事務として働く際に必要となったり、就職で有利になったりする知識を短期間で学べます。
また、一部の求人では応募条件として「大卒」「専門卒以上」といった学歴を指定しているケースがあります。専門学校を卒業して入れば応募条件を満たす求人が多くなり、自分の希望に合う求人を選びやすくなる点もメリットです。
1-2.大学に通う
大学に通い、医療事務の仕事に必要な知識を学ぶ方法です。医療系・福祉系の大学であれば、医療知識によりフォーカスして学習できます。
大学で学ぶと、医療事務の分野だけでなく幅広い知識が身につきます。医療事務を目標にしつつ、他職業も選択肢として考えたい方におすすめです。
また、大学では資格の取得支援をしてくれるケースがあります。じっくりと勉強ができる環境であり、医療事務に役立つ資格の取得を目指せます。
1-3.未経験を採用している職場に就職する
未経験を採用している職場に就職し、働きながら経験を積む方法です。未経験・無資格OKの医療事務求人も一部であり、採用されればすぐに医療事務として働けます。
ただし、レセプト作成業務やクラーク業務などは専門知識がなければ実務が難しいため、未経験で採用されてもすぐに活躍できるわけではありません。求人によっては、そもそも未経験者を求めていないケースもあります。
最初から活躍したい場合や、就職を有利に進めたい場合は、あらかじめ資格や知識を身につけておいたほうがよいでしょう。
2.医療事務として活躍するために取得するとよい資格
医療事務は必須資格がないものの、資格を取得していると必要な業務知識が身についていることを証明できます。医療事務への就職・転職では、資格を取得しておくと有利になるでしょう。
医療事務として勤務する際に役立つ4つの資格を解説します。
2-1.診療報酬請求事務能力認定試験
診療報酬請求事務能力認定試験は、公益財団法人 日本医療保険事務協会が実施する、診療報酬請求事務に従事する方の資質向上を目的とした試験です。試験に合格すると、診療報酬請求事務の流れが理解でき、関連する高い知識・スキルを持っていることの証明となります。
診療報酬請求事務能力認定試験は医科と歯科の2科目に分かれていて、いずれの科目も受験資格は設定されていません。試験種目は学科試験・実技試験の2つがあります。
診療報酬請求事務能力認定試験の合格率は、医科・歯科ともに30~40%程度です。医療事務に関連する資格試験の中で難易度が高い試験として知られています。
2-2.電子カルテ実技技能検定
電子カルテ実技技能検定は、一般社団法人 医療秘書教育全国協議会が実施する、電子カルテ作成技能の評価を目的とした技能検定です。資格取得により、電子カルテシステムの理解と機器操作ができ、電子カルテ作成・代行入力の処理ができる能力が身についていることを証明できます。
電子カルテ実技技能検定の試験形式は実技試験のみです。試験では、シミュレーション化した問答形式問題をもとに電子カルテシステムを操作し、電子カルテを作成します。
なお、受験資格は設定されておらず、誰でも受験可能です。
合格率は公表されていないものの、60~80%程度であると言われています。しっかりと勉強すれば取得がしやすい資格です。
2-3.医事コンピュータ技能検定
医事コンピュータ技能検定は、一般社団法人 医療秘書教育全国協議会が実施する、医療事務・コンピュータ知識・レセプト作成能力の評価を目的とした技能検定です。資格取得により、医療事務およびレセプト作成を行うコンピュータシステムについて知識・技能を有していることが証明できます。
医事コンピュータ技能検定は、受験級が高い等級から順に準1級・2級・3級の3つがあり、いずれの受験級も受験資格は設定されていません。医療事務未経験の方は基礎的知識・技能のみが求められる3級から受験したほうがよいでしょう。
医事コンピュータ技能検定の合格率は公表されていませんが、70~80%程度であると言われています。現在の知識・技能に合う等級を選択すれば合格を狙える資格です。
2-4.医療秘書技能検定試験
医療秘書技能検定試験は、一般社団法人 医療秘書教育全国協議会が実施する、医療秘書としての専門知識・技能の評価を目的とした技能検定です。資格取得により、医療スタッフのスケジュール管理やサポートをメイン業務として行う「医療秘書」の技能を証明できます。
医療秘書技能検定試験の受験級は、等級が高い順に1級・準1級・2級・3級の4つがあります。受験資格は設定されていないものの、医療事務や医療秘書の経験がない方は3級から受験したほうがよいでしょう。
医療秘書技能検定の合格率は公表されていません。一般的には1級が20~30%程度、準1級が40%程度、2級・3級が60%程度であるとされています。
3.医療事務になるための勉強は独学でもできる?
医療事務になるための勉強は独学でも行えます。独学は入学費用や授業料が不要で、コストを抑えられる点がメリットです。
ただし、独学では医療事務に求められる知識を網羅して学習できるとは限りません。勉強のペースやモチベーション管理を自分で行わなければならず、勉強の効率が悪くなる可能性もあります。
しっかりと学習計画を立てて勉強をするためには、専門学校に通うとよいでしょう。専門学校に通うメリットを解説します。
3-1.医療事務を目指して専門学校に通うメリット
医療事務を目指して専門学校に通うことには、主に4つのメリットがあります。
・医療事務に必要な知識を体系的に学べる
専門学校は専用のカリキュラムを用意していて、医療事務に必要な知識を体系的に学べます。資格取得のサポートをしてくれるケースもあり、卒業後には即戦力の医療事務として活躍できるでしょう。
・演習や実習を行える
専門学校のカリキュラムには実技もあり、講師の指導を受けながら演習や実習を行えます。外来受付を再現した実習室で患者さんと受付担当に分かれて接遇・窓口対応を学ぶロールプレイ演習などを通して、専門性の高い技術を習得できる点が魅力です。
・大学よりも短期間で学べる
専門学校の修業年限は一般的に2年、長い場合でも3~4年であり、4年制の一般大学よりも短期間で学べます。医療事務に必要な知識・技術を集中的に学び、短期間で卒業できるため、自分のキャリアプランを実現しやすくなります。
・就職がしやすい
医療事務の専門学校は医療機関とのつながりを持っていて、卒業生向けの求人情報が豊富に集まります。専門学校そのものが手厚い就活サポートを行っているケースもあり、就職がしやすい点がメリットです。
まとめ
医療事務になるためには、専門的な知識と技能が必要ですが、その取得方法は多岐にわたります。専門学校や大学での学びから、実務未経験からの就職まで、自分に合ったルートを選ぶことが可能です。また、医療事務としてのキャリアを強化するためには、関連する資格の取得が推奨されます。資格の取得は就職市場での競争力を高め、より専門的な知識を実務に活かすための基盤となります。
医療事務として成長し続けるためには、常に最新の知識を取り入れ、技能を磨き続けることが求められます。これらの努力が結集されることで、医療事務は医療チームの中で不可欠な存在になることができるでしょう。
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