AI普及の影響で病院事務職員の人材ニーズは!?

医療事務職 今と未来

特別インタビュー

特別インタビュー

AI時代の病院事務職

AI時代の病院事務職

「病院事務の仕事はAIに取られる」って
本当?
IT化が進む中、医療現場の“今”と
将来求められる人材について
お伝えします。

須貝 和則氏

須貝 和則氏

須貝 和則

日本診療情報管理士会 会長

国立研究開発法人
国立国際医療研究センター
医事管理課課長

Q1

病院事務の仕事は今後AIに代替されるって本当ですか?

A

業務の画一化が難しい“人”のサポートは、AIには代替できません。

受付や会計等の業務には自動化の動きがあります。しかし、医師のタスクシフトが進む中、医療現場の状況に応じた細かな気配りや判断が必要となる仕事はAIにはできません。AIやICTは単純なデータ入力や計算、点検等の負荷を軽減し、過剰な残業の削減に寄与すると考えていますが、病院事務職の仕事が無くなるのではなく、これまで以上に、病院のサービス向上や運営・経営・企画等の仕事に人手が必要になるでしょう。

Q2

今後も病院事務職の人材ニーズはあるのでしょうか?

A

「チーム医療」が進む中で、
医療専門職を支える事務職が求められていきます。

今、医療現場では、医師に過度に負担させてきたさまざまな業務内容を医療職全体で見直す、タスクシフトの動きがあります。これは、医師と医療職全体がひとつのチームになって活動するイメージです。このチーム活動の中に病院事務職は極めて重要な役割を果たします。

●今後も強く必要とされる存在です
薬剤師、看護師、放射線技師、理学療法士などといった多彩な医療職と一緒にチームとして動くには、病院事務職が提供する情報の可視化と共有、それを基にした評価・改善が不可欠です。そうした医療現場において、情報の“質”を保ち管理する診療情報管理士や、診療記録の入力、患者さまへの説明等を任される医師事務作業補助者等の病院事務職の存在は、今後強く求められていきます。

Q3

AI時代の医療事務の業務をどう考えたらいい?

A

「作業者」ではなく「アドミニストレーター」の動きが必要に。

医師や看護師は医療や看護の専門家ですが、診療報酬や病院の運営については詳しくありません。診療報酬明細書(レセプト)の作成・確認・管理を通して、彼らが行った診療や指導を医療保険の制度に沿った適切な報酬につなげ、健全な運営をサポートすることが医療事務の大きな役割です。きちんと報酬を得られる診療条件や注意点等を踏まえた提案を医療事務スタッフが行い、医師に取り組んでもらえれば患者さまが受ける医療の質も向上します。これからの医療現場に求められる医療事務は、このようなアドミニストレーターとしての動きが必要になると考えています。

医師や看護師は医療や看護の専門家ですが、診療報酬や病院の運営については詳しくありません。診療報酬明細書(レセプト)の作成・確認・管理を通して、彼らが行った診療や指導を医療保険の制度に沿った適切な報酬につなげ、健全な運営をサポートすることが医療事務の大きな役割です。きちんと報酬を得られる診療条件や注意点等を踏まえた提案を医療事務スタッフが行い、医師に取り組んでもらえれば患者さまが受ける医療の質も向上します。これからの医療現場に求められる医療事務は、このようなアドミニストレーターとしての動きが必要になると考えています。

Q4

医療プロセスが複雑化する中で、病院事務職に求められる能力は?

A

チームの課題を洗い出し、医師たちと共に考えられる力が大切です。

チーム医療に関わる各医療職がそれぞれどのような働きをしているのかを理解し、診療報酬の知識・観点を意識しながら同じ目線で話ができる能力が必要です。また、個々の専門性を高めていく医療専門職と異なり、運営・経営・安全・品質管理など病院全体の動きや情報を幅広く把握し、情報提供や改善への提案ができるのも事務職ならではの働きになります。

Q5

専門学校で学んだ病院事務職の活躍の場は?

A

病院の“今と今後”に合わせてしっかり学んだ人材が、
将来にわたって医療現場で活躍できます。

医療専門職の医師等は明確な目的や志を持って仕事に向かっています。彼らと共に働き力を発揮するには、専門学校での学びをベースに医療現場で経験を重ね、医療現場の的確な認識と、専門用語や診療報酬のブラッシュアップ、分からないことは自分で調べられる力を備える必要があります。医療現場では、病院の“今と今後”を知る専門学校でしっかり学んできた方が活躍できます。

卒業生インタビュー

卒業生インタビュー

AI時代に活躍中の病院事務職4名に
仕事内容ややりがいなどを聞きました。

医療法人徳洲会
千葉西総合病院 医事課入院係

新野 波留香さん

医療秘書科 2018年3月卒業
千葉県・松戸市立松戸高等学校 出身

泣きながら来院した方を笑顔にできた喜び

レセプト作成時に、候補となる病名が自動で表示されるなど、IT化を感じる機会はありますが、一人一人理解度が異なる患者さまへの入退院時の説明は、人でないと難しい仕事です。緊急入院が決まり、泣きながら来院された方に医療費等の不安な点を丁寧に説明した結果、笑顔を見せていただけた時は、とてもうれしかったです。

病院の“顔”となる受付で温かみある雰囲気を

受付はある意味、病院の「顔」として第一印象を左右します。機械では作れない人の温かみを感じられる対応も、医療事務のチーム医療での役割ではないかと思います。患者さまを安心させられる雰囲気をつくると同時に、医師や看護師と対等に話せる知識を備えることでより必要とされる存在を目指しています。

医療法人徳洲会
千葉西総合病院 医事課入院係

新野 波留香さん

医療秘書科 2018年3月卒業
千葉県・松戸市立松戸高等学校 出身

社会医療法人 熊谷総合病院
診療情報課 医療クラーク副主任

小澤 仁美さん

診療情報管理専攻科 2017年3月卒業
( 現:診療情報管理科)
埼玉県立松山女子高等学校 出身

「汲み取る力」が求められる仕事

病気の状態や診療結果が全く同じ患者さまはいません。医師の診察中の質問を念頭において患者さまへ問診をしたり、適切な診療報酬を得られるように処置内容や薬剤の詳細をカルテに記入するなど、「汲み取る力」や人だからこその気遣い、判断を心掛けています。

医療の知識を間近で学び、一歩先の判断を

医師事務作業補助者は医師を直接サポートできる数少ない事務職。最新の治療方法や治療方針を決めた理由等の知識を日々得られ、より正確な問診やサマリー報告書等に活かせます。医師が忙しい時に、検査の予約や他スタッフの情報共有等を先回りしてサポートし、負荷を減らせた時は、チーム医療に入れていると感じてうれしくなります。

社会医療法人 熊谷総合病院
診療情報課 医療クラーク副主任

小澤 仁美さん

診療情報管理専攻科 2017年3月卒業
( 現:診療情報管理科)
埼玉県立松山女子高等学校 出身

学校法人 聖マリアンナ医科大学
聖マリアンナ医科大学病院
診療記録管理室

女屋 拓実さん

診療情報管理専攻科 2018年3月卒業
( 現:診療情報管理科)
千葉県立市原高等学校 出身

経営・IT・医療安全と幅広く役立てる存在に

診療情報の管理・提供を通して全科の医師と関われ、経営・IT・医療安全とさまざまなジャンルに貢献できます。多彩な職種が集まる病院で共通して必要な「記録」の専門家として、全員の懸け橋になり、サポートできるよう心掛けています。また、書類の電子署名化等、院内のDXも推進しているので、使いやすく実践的なシステムに向けた提案を進めていきたいです。

全科の情報を管理し、医師に教えることも

医師に必要な情報を整理して渡したり、専門外の分野について教えた際に、「ここまでしてくれるのか」と言われるとやりがいを感じます。癌の症例データを登録する業務もあり、病院のウェブサイトや医師の研究等幅広い範囲で情報が役立てられたときはうれしいですね。

学校法人 聖マリアンナ医科大学
聖マリアンナ医科大学病院
看護部

女屋 拓実さん

診療情報管理専攻科 2018年3月卒業
( 現:診療情報管理科)
千葉県立市原高等学校 出身

社会福祉法人 恩賜財団
済生会支部 東京都済生会

東京都済生会中央病院
看護部

青木 二葉さん

医療秘書科 2020年3月卒業
埼玉県立大宮東高等学校 出身

頼られる存在であることが誇り

病棟で入退院案内や電話対応、検査時のサポート等を行う病棟クラークは、医師や看護師、患者さまなど、人と関わることが多い分、直接感謝の言葉をいただけることが多い仕事です。その際にはやりがいを感じますし、病棟になくてはならない「縁の下の力持ち」として頼られる存在であることに誇りを持っています。

人にしか分からない不安を解消する役割も

病棟は、安心できる場である一方、患者さまは自身の病気や怪我に関する不安を抱えています。そうした“人にしか分からない不安”を解消していくのも大切な役割と考え、笑顔と、患者さまが楽しめるコミュニケーションを心がけています。

社会福祉法人 恩賜財団
済生会支部 東京都済生会

東京都済生会中央病院
看護部

青木 二葉さん

医療秘書科 2020年3月卒業
埼玉県立大宮東高等学校 出身

オープンキャンパス

オープンキャンパス

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早稲田速記医療福祉専門学校は、医療・福祉分野への正職員就職に強く、社会人・既卒者・留学生も学びやすい独自の奨学制度を備えた専門学校です。
たくさんの卒業生が医療事務・介護福祉士などの資格を取得し、大学病院や総合病院などで活躍し続けています。医療秘書科に関しては国内で初めて医療秘書教育をスタートした学科であり、学びのノウハウがしっかり蓄積されています。
医療事務・介護福祉士などの資格取得に充実した環境が揃っており、多くの実績から卒業後の医療機関への就職にも強い専門学校です。